金沢の金箔

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金沢と金箔の歴史

北陸は金箔の生産に適した気候風土です。
その昔ながらの伝統製法は
金沢の職人たちによる加賀友禅や輪島塗、九谷焼など、
さまざまな伝統工芸産業の中で現代まで継承されています。

The history of gold leaf in Kanazawa
The Hokuriku region has natural features that are suitable for gold leaf production.
Traditional production methods from the past have been handed down to the present
by Kanazawa craftsmen in various domains of traditional craft,
including Kaga Yuzen dyeing, Wajima-nuri lacquerware, and Kutani porcelain ware.

金沢箔の製造工程

澄職人の製造工程

  1. 1.金合わせ

    まず、金に微量の銀・銅を加え、型に流し込みます。この型を1300度程まで熱していき合金します。純金(99.99%)は柔らかすぎて箔作りに適していないため、銀や銅を一緒に混ぜて溶かします。この銀や銅の配合率を変えることにより、金箔に色合いの変化が生まれます。

  2. 2.延金(のべきん)

    金合金を帯状に延ばします。それを約6㎝角の小片に切り分けます。厚さは100分の3ミリ。

  3. 3.澄打紙の仕込み

    金沢の二俣の和紙を、灰汁につけ澄打紙へと仕上げていきます。

  4. 4.澄打ち

    延金を澄打紙の間に挟み入れます。これを打ち延ばし、延びた金を1/4にカットして、さらに一枚ずつ移し替えて、さらに打ち延ばしていきます。この作業を繰り返して出来たものは上澄(うわずみ)といいます。

  5. 5.仕立て

    上澄を20㎝角に切り、これを三つ折りにします。澄職人が仕立てた上澄は、次に箔職人のもとへと引き継がれます。

箔職人の製造工程

  1. 6.箔打紙の仕込み

    金沢の二俣和紙を下地紙に使い、箔打紙へと仕上げていきます。ここでの紙の質の出来により、金箔の質に大きく左右します。

  2. 7.引き入れ・打ち前

    まず、澄切りといって、上澄を9~12枚に切り分ける作業を行います。次に引き入れといって、小さく切った上澄を一枚一枚、箔打紙(小間紙)に挟んでいきます。箔打紙(小間紙)の束の上下を牛革でさらに挟み、箔打機で打ち上げていきます。打たれて熱くなった紙を冷ましては、また打つという作業を繰り返し、10,000分の1ミリという薄さに仕上げていきます。

  3. 8.抜き仕事

    打ち上がった箔の品質を見ながら選別していきます。次に箔打紙から広物帳(ひろものちょう)に移し替えていきます。薄くなった金箔は、息や静電気、素手で触れると破れるほど、とても繊細です。そのため移し替えの作業では、静電気が起こりにくい竹箸と天狗爪を使用しています。

  4. 9.箔移し

    広物帳の箔箔を規定の寸法に切り揃え、切り紙の上に移します。こうして、金沢伝統箔(縁付箔)が仕上がります。

さまざまな用途

金沢箔は、古くから日本の国宝や重要文化財、神社仏閣、仏壇の装飾や修復などの重要な素材として、大きな役割を担ってきました。近年では、現代のライフスタイルの変化にあわせて、工芸品やアクセサリー、食器、インテリア、美容コスメといった生活に身近なものに使われており、受け継がれる歴史と文化は、いまなお金沢の街に息づいています。こちらでは、さまざまな変化を魅せる、金沢箔の世界をいくつかご紹介していきます。

A wide variety of uses

Since ancient times, Kanazawa-haku has played a major role as an important material in the decoration and restoration of shrines and temples, altars, as well as other national treasures and important cultural properties of Japan. Along with the changes in modern lifestyles, it is used in recent years in items closer to everyday life such as handicraft and accessories, tableware, interior decor, as well as beauty and cosmetic products. The history and culture that have been passed down continue to live on in the streets of Kanazawa. Here, we will showcase some of the endless possibilities of Kanazawa-haku.

  • 国宝、重要文化財、神社仏閣の修復、復元材料

    株式会社中村製箔所は、さまざまな文化財の修復、復元に取り組んでおります。文化財保全活動の一環として、鎌倉時代や江戸時代などに用いられた、当時の金箔の復元等も承っております。当時の合金の配合率を当社までお伝えいただければ、その時代の金箔を再現いたします。文化財の保存・修復でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

  • 絵画材料・工芸材料

    日本画、絵画、工芸、その他さまざまな装飾にお使いいただけます。金箔の取り扱い方(裏表の違い)でわからないことなど、お気軽にご相談ください。

  • 美容用金箔

    美容コスメ、ネイル、ヘアスタイリング剤など、さまざまな装飾にお使いいただけます。特別な日のお仕立てアイテムにおすすめです。

  • 建築材料・装飾材料

    マンションのエントランスホールのデザインやモニュメント、店舗看板、ガラスタイルなどの住宅インテリアなど、さまざまな装飾にお使いいただけます。上品できらびやかな和の空間づくりにおすすめです。

  • 食品用金箔

    お食事など、日々の暮らしを彩るアイテムとしてだけではなく、安心してお使いいただける製品のみをご提供しております。

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